創意工夫リファレンス

6つの帽子

作成: 2025/12/29 更新: 2025/12/29

概要

6つの帽子(Six Thinking Hats)は、エドワード・デボノが考案した並行思考のためのフレームワークです。異なる色の「帽子」をかぶることで、議論や思考のモードを明確に切り替え、一度に一つの視点に集中します。これにより、対立的な議論を避け、建設的で効率的な思考が可能になります。

いつ使うか

  • 会議で議論が堂々巡りになる時
  • 一つの視点に偏った思考を避けたい時
  • チームで多角的にアイデアを検討したい時
  • 意思決定の質を高めたい時

説明

6つの帽子の役割

  1. 白い帽子(White):事実・データ

    • 客観的なデータ、事実、数字に焦点を当てます。「何が分かっているか?」「どんなデータが必要か?」
  2. 赤い帽子(Red):感情・直感

    • 感情や直感を表現します。論理的な理由は不要。「好き」「嫌い」「不安」「ワクワクする」など。
  3. 黒い帽子(Black):批判・リスク

    • 問題点、リスク、困難を指摘します。「うまくいかない理由」「危険性」を洗い出す。(建設的な批判)
  4. 黄色い帽子(Yellow):楽観・メリット

    • 利点、価値、可能性に焦点を当てます。「なぜうまくいくか」「どんなメリットがあるか」を考える。
  5. 緑の帽子(Green):創造・新しいアイデア

    • 創造的なアイデア、代替案、改善策を出します。ブレインストーミング的な思考モード。
  6. 青い帽子(Blue):コントロール・進行

    • 思考プロセス全体を管理します。どの帽子を使うか決め、まとめを行う。ファシリテーターの役割。

実施手順

  1. 青い帽子でセッションの目的とルールを共有する。
  2. 白い帽子で事実とデータを確認する。
  3. 緑の帽子でアイデアを出す。
  4. 黄色い帽子でアイデアのメリットを探る。
  5. 黒い帽子でリスクや問題点を検討する。
  6. 赤い帽子で各自の直感的な反応を確認する。
  7. 青い帽子でまとめ、次のアクションを決める。

※順番は目的に応じて変更可能です。

使用例

例:新サービス導入の検討

テーマ:「社内にチャットボットを導入するか」

  • 白い帽子: 導入コストは年間〇〇万円。他社事例では問い合わせが30%減少。
  • 赤い帽子: 「便利そう」「なんか冷たい感じ」「面白い」
  • 黒い帽子: 初期設定の手間、回答精度への不安、社員が使わない可能性。
  • 黄色い帽子: 24時間対応可能、よくある質問対応の工数削減、ナレッジ蓄積。
  • 緑の帽子: まず一部の部署で試験導入、FAQを自動生成するAIと連携。
  • 青い帽子: 試験導入を3ヶ月実施し、効果測定後に本導入を判断する方針に決定。

AI活用

AIに6つの帽子の視点でアイデアを評価させるプロンプトです。

プロンプト例

# 命令書
以下のアイデアについて、「6つの帽子」のフレームワークを用いて多角的に評価してください。

# アイデア
[ここにアイデアを入力]

# 出力形式
- 白い帽子(事実):
- 赤い帽子(感情):
- 黒い帽子(リスク):
- 黄色い帽子(メリット):
- 緑の帽子(改善案):
- 青い帽子(まとめ):

関連項目