概要
6つの帽子(Six Thinking Hats)は、エドワード・デボノが考案した並行思考のためのフレームワークです。異なる色の「帽子」をかぶることで、議論や思考のモードを明確に切り替え、一度に一つの視点に集中します。これにより、対立的な議論を避け、建設的で効率的な思考が可能になります。
いつ使うか
- 会議で議論が堂々巡りになる時
- 一つの視点に偏った思考を避けたい時
- チームで多角的にアイデアを検討したい時
- 意思決定の質を高めたい時
説明
6つの帽子の役割
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白い帽子(White):事実・データ
- 客観的なデータ、事実、数字に焦点を当てます。「何が分かっているか?」「どんなデータが必要か?」
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赤い帽子(Red):感情・直感
- 感情や直感を表現します。論理的な理由は不要。「好き」「嫌い」「不安」「ワクワクする」など。
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黒い帽子(Black):批判・リスク
- 問題点、リスク、困難を指摘します。「うまくいかない理由」「危険性」を洗い出す。(建設的な批判)
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黄色い帽子(Yellow):楽観・メリット
- 利点、価値、可能性に焦点を当てます。「なぜうまくいくか」「どんなメリットがあるか」を考える。
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緑の帽子(Green):創造・新しいアイデア
- 創造的なアイデア、代替案、改善策を出します。ブレインストーミング的な思考モード。
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青い帽子(Blue):コントロール・進行
- 思考プロセス全体を管理します。どの帽子を使うか決め、まとめを行う。ファシリテーターの役割。
実施手順
- 青い帽子でセッションの目的とルールを共有する。
- 白い帽子で事実とデータを確認する。
- 緑の帽子でアイデアを出す。
- 黄色い帽子でアイデアのメリットを探る。
- 黒い帽子でリスクや問題点を検討する。
- 赤い帽子で各自の直感的な反応を確認する。
- 青い帽子でまとめ、次のアクションを決める。
※順番は目的に応じて変更可能です。
使用例
例:新サービス導入の検討
テーマ:「社内にチャットボットを導入するか」
- 白い帽子: 導入コストは年間〇〇万円。他社事例では問い合わせが30%減少。
- 赤い帽子: 「便利そう」「なんか冷たい感じ」「面白い」
- 黒い帽子: 初期設定の手間、回答精度への不安、社員が使わない可能性。
- 黄色い帽子: 24時間対応可能、よくある質問対応の工数削減、ナレッジ蓄積。
- 緑の帽子: まず一部の部署で試験導入、FAQを自動生成するAIと連携。
- 青い帽子: 試験導入を3ヶ月実施し、効果測定後に本導入を判断する方針に決定。
AI活用
AIに6つの帽子の視点でアイデアを評価させるプロンプトです。
プロンプト例
# 命令書
以下のアイデアについて、「6つの帽子」のフレームワークを用いて多角的に評価してください。
# アイデア
[ここにアイデアを入力]
# 出力形式
- 白い帽子(事実):
- 赤い帽子(感情):
- 黒い帽子(リスク):
- 黄色い帽子(メリット):
- 緑の帽子(改善案):
- 青い帽子(まとめ):