概要
NM法(Nakayama Masakazu Method)は、創造工学研究所の中山正和が考案した、類推(アナロジー)を用いた発想技法です。対象の特徴を抽象化し、自然界などの似たものからヒントを得て、具体的なアイデアに落とし込むプロセスを体系化しています。
いつ使うか
- 技術的な課題を解決したい時
- 既存の知識を新しい分野に応用したい時
- 論理的なステップで発想を広げたい時
説明
実施手順(5ステップ)
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キーワード(KW)の決定
- 課題やテーマの本質を表すキーワード(機能や状態)を決めます。
- 例:「運ぶ」「保存する」「くっつく」
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類比(QA:Question of Analogy)
- そのキーワードから連想される、自然界や他の分野の「似ているもの」を探します。
- 例:「くっつく」→「ひっつき虫」「タコの吸盤」「磁石」
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背景(QB:Question of Background)
- 選んだ類比物が、なぜその機能を持っているのか(メカニズム)を分析します。
- 例:「ひっつき虫」→「先端がカギ状になっているから繊維に絡まる」
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着想(QC:Question of Concept)
- そのメカニズムを今回の課題に応用できないか考え、アイデアのコンセプトを作ります。
- 例:カギ状の突起をたくさん並べれば、着脱可能な留め具になるのでは?
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解決案(Ab:Ability)
- コンセプトを具体的な製品や解決策にまとめます。
- 例:面ファスナー(マジックテープ)。
ポイント
- 自然界のメカニズム(生体模倣/バイオミミクリー)は、NM法の最も強力なソースです。
- 課題を「動詞」に変換すると類比が見つかりやすくなります。
使用例
例:音の静かな新幹線の開発
- KW: 「速く移動する」「空気抵抗を減らす」
- QA: 自然界で速く静かに移動するものは? → 「フクロウ」「カワセミ」
- QB:
- カワセミはなぜ水しぶきを上げずに水に飛び込める? → 「くちばしの形状が鋭く流線型だから」
- QC: 電車の先頭車両をカワセミのくちばしのような形にすれば、トンネル突入時の衝撃波を減らせるのでは?
- Ab: カワセミ型のロングノーズ車両の開発(500系新幹線などの実例)。
AI活用
AIにNM法のステップを実行させるプロンプトです。
プロンプト例
# 命令書
以下の課題について、NM法(類推発想法)のステップを用いて解決策を考えてください。
# 課題
[ここに課題を入力]
# ステップ
1. キーワード(課題の機能・状態):
2. 類比(自然界などで似ているもの):
3. 背景(類比物のメカニズム):
4. 着想(メカニズムの応用):
5. 解決案(具体的なアイデア):