概要
世界観設定(World Building)は、物語の舞台となる架空の世界や、現実世界の中の特定のコミュニティのルール、歴史、文化、地理などを構築する作業です。特にファンタジーやSFでは重要ですが、現代劇でも「学校の階級制度」や「企業の社風」といった形で存在します。
いつ使うか
- ファンタジー、SF、歴史ものを作る時
- 物語にリアリティと奥行きを持たせたい時
- キャラクターの行動原理に説得力を持たせたい時
説明
世界観の構成要素
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物理的ルール
- 地理、気候、魔法の有無、科学技術レベル、生態系。
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社会的ルール
- 政治体制、経済、宗教、階級、法律、歴史。
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文化的ルール
- 言語、食事、服装、娯楽、タブー、価値観。
作り方のポイント
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「氷山の一角」を意識する
- 設定した全てを作中で説明する必要はありません。膨大な設定という土台があることで、描写される一部(氷山の一角)にリアリティが生まれます。
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物語のテーマとリンクさせる
- 世界観は単なる背景ではなく、キャラクターを追い詰めたり、テーマを強調するための装置であるべきです。
- 例:自由を求める物語なら、極端に管理された世界を作る。
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一貫性を持つ
- 「魔法には代償が必要」なら、例外を作らずルールを守らせます。ルールが破綻すると読者は冷めます。
実施手順
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コアとなる「嘘(フィクション)」を1つ決める
- 「もし魔法が産業革命に使われていたら?」「もし重力が逆転していたら?」など。
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波及効果を考える
- その「嘘」が社会や生活にどんな影響を与えるか考えます。
- 例:魔法で空を飛べる → 道路がない、高層建築が発達する、空の交通ルールがある。
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地図や年表を作る
- 視覚化することで矛盾に気づきやすくなります。
使用例
例:「音が通貨になる世界」の設定
- 物理:音をエネルギーとして保存する鉱石が存在する。
- 社会:美しい歌を歌える人が富裕層。騒音を出す工場労働者は貧困層だが、エネルギー生産の要。
- 文化:日常会話は筆談がマナー(音の無駄遣い防止)。音楽会は高級な投資活動。
- 物語への影響:声が出せない主人公が、世界を変える「沈黙の歌」を見つける。
AI活用
AIに世界観の矛盾をチェックさせたり、細部のアイデアを出させるプロンプトです。
プロンプト例
# 命令書
以下の「架空の世界の設定」に基づいて、その世界でありそうな「日常の風景」や「ことわざ」、「タブー」を考えてください。
# 世界設定
[ここに世界設定を入力:例:一年中夜が続く国]
# 出力形式
- 日常の風景:
- この世界の住人がよく使うことわざ:
- 絶対にしてはいけないタブー: