創意工夫リファレンス

三幕構成

作成: 2025/12/29 更新: 2025/12/29

概要

三幕構成(Three-Act Structure)は、古代ギリシャの哲学者アリストテレスにまで遡る、物語構成の基本形です。現代ではシド・フィールドが脚本術として体系化し、ハリウッド映画をはじめ多くのストーリーで採用されています。物語を「始まり(設定)」「中間(対立)」「終わり(解決)」の3つのパートに分けて構成します。

いつ使うか

  • 物語の骨格を作りたい時
  • プロットが迷走している時
  • 脚本、小説、漫画など、あらゆる物語作品の構成に

説明

三幕の構造

第一幕(セットアップ / 設定) - 全体の約25%

物語の世界観、主人公、日常を提示します。

  • フック(ツカミ): 冒頭で観客の興味を引きつける出来事。
  • 日常の提示: 主人公が変化する前の「普通の状態」を見せる。
  • インサイティング・インシデント(事件のきっかけ): 主人公の日常を壊し、物語を始動させる出来事。
  • プロットポイント1(第一の転換点): 主人公が「冒険」へ踏み出す決断をする瞬間。第一幕と第二幕の境目。

第二幕(コンフロンテーション / 対立) - 全体の約50%

主人公が目標に向かって行動し、障害と戦います。物語の「肉」の部分。

  • 葛藤と試練: 主人公は障害(敵対者、問題)に次々と直面する。
  • ミッドポイント(中間点): 物語の折り返し地点。新たな情報が明らかになったり、状況が大きく変化したりする。
  • ピンチポイント: 主人公が窮地に追い込まれ、敵対者の強さを再認識する場面。
  • プロットポイント2(第二の転換点): 主人公がクライマックスに向かう最終決断をする。第二幕と第三幕の境目。

第三幕(レゾリューション / 解決) - 全体の約25%

クライマックスと、その後の解決を描きます。

  • クライマックス: 主人公と敵対者の最終対決。物語の最大の見せ場。
  • 解決(デノウマン): 葛藤が解決し、新しい日常が始まる。主人公の変化が示される。

構成の比率

役割比率(目安)
第一幕設定25%
第二幕対立50%
第三幕解決25%

使用例

例:映画『スター・ウォーズ エピソード4』

  • 第一幕: 砂漠の惑星タトゥイーンで退屈な日常を送るルーク。R2-D2を通じてレイア姫のメッセージを受け取る(インサイティング・インシデント)。育ての親を殺され、オビ=ワンと共に帝国と戦う決意をする(PP1)。
  • 第二幕: レイア姫の救出作戦。デス・スター侵入、仲間との絆、オビ=ワンの犠牲(ミッドポイント)。追い詰められながらも脱出に成功(PP2)。
  • 第三幕: デス・スター攻略戦(クライマックス)。ルークはフォースを信じてデス・スターを破壊。英雄として称えられる(解決)。

AI活用

AIに三幕構成のプロットを作らせるプロンプトです。

プロンプト例

# 命令書
以下のあらすじを「三幕構成」のフレームワークに当てはめて詳細化してください。

# あらすじ
[ここにあらすじを入力]

# 出力形式
## 第一幕(設定)
- 日常:
- インサイティング・インシデント:
- プロットポイント1:

## 第二幕(対立)
- 葛藤・試練:
- ミッドポイント:
- プロットポイント2:

## 第三幕(解決)
- クライマックス:
- 解決:

関連項目