概要
三幕構成(Three-Act Structure)は、古代ギリシャの哲学者アリストテレスにまで遡る、物語構成の基本形です。現代ではシド・フィールドが脚本術として体系化し、ハリウッド映画をはじめ多くのストーリーで採用されています。物語を「始まり(設定)」「中間(対立)」「終わり(解決)」の3つのパートに分けて構成します。
いつ使うか
- 物語の骨格を作りたい時
- プロットが迷走している時
- 脚本、小説、漫画など、あらゆる物語作品の構成に
説明
三幕の構造
第一幕(セットアップ / 設定) - 全体の約25%
物語の世界観、主人公、日常を提示します。
- フック(ツカミ): 冒頭で観客の興味を引きつける出来事。
- 日常の提示: 主人公が変化する前の「普通の状態」を見せる。
- インサイティング・インシデント(事件のきっかけ): 主人公の日常を壊し、物語を始動させる出来事。
- プロットポイント1(第一の転換点): 主人公が「冒険」へ踏み出す決断をする瞬間。第一幕と第二幕の境目。
第二幕(コンフロンテーション / 対立) - 全体の約50%
主人公が目標に向かって行動し、障害と戦います。物語の「肉」の部分。
- 葛藤と試練: 主人公は障害(敵対者、問題)に次々と直面する。
- ミッドポイント(中間点): 物語の折り返し地点。新たな情報が明らかになったり、状況が大きく変化したりする。
- ピンチポイント: 主人公が窮地に追い込まれ、敵対者の強さを再認識する場面。
- プロットポイント2(第二の転換点): 主人公がクライマックスに向かう最終決断をする。第二幕と第三幕の境目。
第三幕(レゾリューション / 解決) - 全体の約25%
クライマックスと、その後の解決を描きます。
- クライマックス: 主人公と敵対者の最終対決。物語の最大の見せ場。
- 解決(デノウマン): 葛藤が解決し、新しい日常が始まる。主人公の変化が示される。
構成の比率
| 幕 | 役割 | 比率(目安) |
|---|---|---|
| 第一幕 | 設定 | 25% |
| 第二幕 | 対立 | 50% |
| 第三幕 | 解決 | 25% |
使用例
例:映画『スター・ウォーズ エピソード4』
- 第一幕: 砂漠の惑星タトゥイーンで退屈な日常を送るルーク。R2-D2を通じてレイア姫のメッセージを受け取る(インサイティング・インシデント)。育ての親を殺され、オビ=ワンと共に帝国と戦う決意をする(PP1)。
- 第二幕: レイア姫の救出作戦。デス・スター侵入、仲間との絆、オビ=ワンの犠牲(ミッドポイント)。追い詰められながらも脱出に成功(PP2)。
- 第三幕: デス・スター攻略戦(クライマックス)。ルークはフォースを信じてデス・スターを破壊。英雄として称えられる(解決)。
AI活用
AIに三幕構成のプロットを作らせるプロンプトです。
プロンプト例
# 命令書
以下のあらすじを「三幕構成」のフレームワークに当てはめて詳細化してください。
# あらすじ
[ここにあらすじを入力]
# 出力形式
## 第一幕(設定)
- 日常:
- インサイティング・インシデント:
- プロットポイント1:
## 第二幕(対立)
- 葛藤・試練:
- ミッドポイント:
- プロットポイント2:
## 第三幕(解決)
- クライマックス:
- 解決: