創意工夫リファレンス

視点

作成: 2025/12/30 更新: 2025/12/30

概要

視点(Point of View / POV)は、物語を「誰の目(カメラ)」を通して語るかという設定です。視点の選び方によって、読者が得られる情報量、感情移入の度合い、物語の雰囲気が大きく変わります。

いつ使うか

  • 物語の書き出しを決める時
  • 読者とキャラクターの距離感を調整したい時
  • ミステリーなどで情報を制限したい時

説明

主な視点の種類

  1. 一人称視点(私、僕、俺)

    • 主人公自身の語り。
    • メリット: 感情移入しやすい。内面を深く描ける。
    • デメリット: 主人公が見聞きしていないことは書けない。主人公の主観(偏り)が入る。
  2. 三人称一元視点(彼、彼女 / 限定的)

    • 「彼」「彼女」と書くが、カメラは特定のキャラクター(視点人物)に寄り添っている。
    • 一人称に近い没入感がありつつ、客観的な描写もしやすい。現代小説で最も一般的。
  3. 三人称全知視点(神の視点)

    • 語り手は神様のように全てのキャラクターの内心や、過去・未来、遠くの出来事を知っている。
    • メリット: 全体像を描ける。解説を入れられる。
    • デメリット: 視点が定まらず、読者が誰に感情移入していいか迷いやすい。古臭い印象になることもある。

視点選びのポイント

  • 誰の物語か?: 最も葛藤し、変化するキャラクターの視点が基本です。
  • 情報のコントロール: 犯人の正体を隠したければ、探偵の視点(犯人の内心は見えない)を選びます。
  • 視点のブレ(Head-Hopping)に注意: 1つのシーンの中で、Aの内心を書いた直後にBの内心を書くと、読者は混乱します。シーンの区切りまでは視点人物を固定するのが原則です。

使用例

視点による違い

一人称

僕は震える手でドアノブを回した。怖かった。中に何がいるか分からなかったからだ。

三人称一元

彼は震える手でドアノブを回した。心臓が早鐘を打っていた。中に何がいるのか? 想像するだけで足がすくんだ。

三人称全知

彼は恐怖に震えながらドアノブを回した。しかし彼が心配する必要はなかった。中には誰もいなかったのだから。

AI活用

AIに文章の視点を書き換えさせるプロンプトです。

プロンプト例

# 命令書
以下の文章は「一人称視点」で書かれています。これを「三人称視点(彼)」に書き換えてください。

# 文章
[ここに文章を入力]

関連項目