概要
起承転結(Ki-Sho-Ten-Ketsu)は、中国の漢詩の構成法に由来する、日本や東アジアで馴染み深い物語構成の基本型です。4つのパートで構成され、特に「転」による展開の飛躍や変化が特徴です。物語だけでなく、論文、プレゼンテーション、4コマ漫画など幅広い分野で使われます。
いつ使うか
- 短編小説やショートショートを作る時
- 4コマ漫画のネタを考える時
- プレゼンテーションや文章の構成を考える時
- 簡潔にストーリーをまとめたい時
説明
4つのパート
-
起(Introduction)
- 物語の始まり。舞台設定や登場人物の紹介、事の起こりを描きます。
- 読者・観客を物語の世界に引き込みます。
-
承(Development)
- 「起」を受けて、物語を展開させます。
- 事件が進行したり、状況が複雑になったり、緊張感を高めていきます。
-
転(Twist)
- 物語のクライマックスや、急展開、視点の転換が起きます。
- それまでの流れを大きく変え、読者を驚かせたり、ハッとさせたりします。起承転結の肝となる部分です。
-
結(Conclusion)
- 物語の締めくくり。「転」の結果どうなったかを描き、オチをつけます。
- 全体をまとめ、余韻を残します。
三幕構成との違い
- 三幕構成:対立と解決(コンフリクト)を重視し、論理的な因果関係で進む。「目的→障害→克服」の流れ。
- 起承転結:「転」での飛躍や変化を重視し、全体としての調和や情緒的な流れを作る。必ずしも敵との対立が必要なわけではない。
実施手順
-
ネタ(オチ)を決める
- 最後にどう終わらせたいか(結)を考えます。
-
意外な展開(転)を考える
- 結に至る直前で、予想を裏切る展開や、視点を変える出来事を配置します。
-
導入(起)と展開(承)を作る
- 転の効果を最大化するための前振りを考えます。
使用例
例:4コマ漫画的なストーリー
- 起:A君が一生懸命ラブレターを書いている。
- 承:A君、緊張しながら意中のBさんの靴箱に手紙を入れる。
- 転:翌日、A君の靴箱に手紙が入っていた。開けてみると「字が汚すぎて読めません(赤ペン先生より)」と添削されていた。
- 結:A君、ペン習字を始める。
例:怪談(「転」の飛躍)
- 起:古い屋敷に引っ越してきた家族。
- 承:夜な夜な不思議な音が聞こえる。
- 転:ある夜、父親が音の正体を突き止めると、それは自分たちが死んだことに気づいていない前の住人の幽霊ではなく、未来から来た自分たち自身だった。
- 結:時間はループしており、彼らは永遠にこの屋敷から出られない。
AI活用
AIに起承転結の構成案を作らせるプロンプトです。
プロンプト例
# 命令書
以下のテーマで、起承転結の構成に沿ったショートストーリーのプロットを考えてください。特に「転」で意外性を持たせてください。
# テーマ
[ここにテーマを入力]
# 出力形式
- **起**:
- **承**:
- **転**:
- **結**: