概要
五幕構成(Five-Act Structure)は、シェイクスピア劇などの古典演劇や、現代のテレビドラマシリーズなどで用いられる物語構成です。三幕構成(設定・対立・解決)をさらに細分化し、より複雑な展開や「悲劇」を描くのに適しています。フライタークのピラミッド(Freytag’s Pyramid)としても知られます。
いつ使うか
- シェイクスピアのような古典的な悲劇を描きたい時
- 長編ドラマシリーズの構成を練る時
- 三幕構成では収まりきらない複雑な物語を作る時
説明
フライタークのピラミッド(5つの段階)
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第一幕:提示(Exposition)
- 設定、登場人物の紹介、インサイティング・インシデント。三幕構成の第一幕と同じ。
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第二幕:上昇(Rising Action)
- 葛藤の始まり、事態の複雑化。主人公は目的へ向かって動き出すが、障害にぶつかる。
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第三幕:クライマックス(Climax)
- 物語の頂点。運命の転換点。ここで主人公の運命(成功か破滅か)が決定づけられる。
- ※三幕構成のクライマックス(最後)とは違い、五幕構成では真ん中に位置します。
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第四幕:下降(Falling Action)
- クライマックスの結果、事態が急速に(しばしば悪い方向へ)進む。サスペンスが高まる。解決への最後の準備。
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第五幕:結末(Resolution / Denouement)
- 破局(悲劇の場合)または大団円(喜劇の場合)。全ての葛藤が解決し、新しい秩序が訪れる。
三幕構成との比較
- 三幕構成: 映画などの「解決志向」の物語に向いている。
- 五幕構成: 上昇と下降のシンメトリーが美しく、運命の皮肉や悲劇を描くのに向いている。また、CMが入るテレビドラマ(各幕の終わりにクリフハンガーを作る)にも適している。
使用例
例:『ロミオとジュリエット』
- 提示: 両家の対立と、ロミオとジュリエットの出会い。
- 上昇: 秘密の結婚。
- クライマックス: ロミオがティボルト(ジュリエットの従兄弟)を殺害してしまう。追放処分。(運命の暗転)
- 下降: ジュリエットの仮死計画。すれ違い。
- 結末: 二人の死。両家の和解。
AI活用
AIに物語を五幕構成に分解させるプロンプトです。
プロンプト例
# 命令書
以下のあらすじを「五幕構成(フライタークのピラミッド)」のフレームワークに当てはめて詳細化してください。
# あらすじ
[ここにあらすじを入力]
# 出力形式
- 第一幕(提示):
- 第二幕(上昇):
- 第三幕(クライマックス):
- 第四幕(下降):
- 第五幕(結末):