創意工夫リファレンス

五幕構成

作成: 2025/12/30 更新: 2025/12/30

概要

五幕構成(Five-Act Structure)は、シェイクスピア劇などの古典演劇や、現代のテレビドラマシリーズなどで用いられる物語構成です。三幕構成(設定・対立・解決)をさらに細分化し、より複雑な展開や「悲劇」を描くのに適しています。フライタークのピラミッド(Freytag’s Pyramid)としても知られます。

いつ使うか

  • シェイクスピアのような古典的な悲劇を描きたい時
  • 長編ドラマシリーズの構成を練る時
  • 三幕構成では収まりきらない複雑な物語を作る時

説明

フライタークのピラミッド(5つの段階)

  1. 第一幕:提示(Exposition)

    • 設定、登場人物の紹介、インサイティング・インシデント。三幕構成の第一幕と同じ。
  2. 第二幕:上昇(Rising Action)

    • 葛藤の始まり、事態の複雑化。主人公は目的へ向かって動き出すが、障害にぶつかる。
  3. 第三幕:クライマックス(Climax)

    • 物語の頂点。運命の転換点。ここで主人公の運命(成功か破滅か)が決定づけられる。
    • ※三幕構成のクライマックス(最後)とは違い、五幕構成では真ん中に位置します。
  4. 第四幕:下降(Falling Action)

    • クライマックスの結果、事態が急速に(しばしば悪い方向へ)進む。サスペンスが高まる。解決への最後の準備。
  5. 第五幕:結末(Resolution / Denouement)

    • 破局(悲劇の場合)または大団円(喜劇の場合)。全ての葛藤が解決し、新しい秩序が訪れる。

三幕構成との比較

  • 三幕構成: 映画などの「解決志向」の物語に向いている。
  • 五幕構成: 上昇と下降のシンメトリーが美しく、運命の皮肉や悲劇を描くのに向いている。また、CMが入るテレビドラマ(各幕の終わりにクリフハンガーを作る)にも適している。

使用例

例:『ロミオとジュリエット』

  1. 提示: 両家の対立と、ロミオとジュリエットの出会い。
  2. 上昇: 秘密の結婚。
  3. クライマックス: ロミオがティボルト(ジュリエットの従兄弟)を殺害してしまう。追放処分。(運命の暗転)
  4. 下降: ジュリエットの仮死計画。すれ違い。
  5. 結末: 二人の死。両家の和解。

AI活用

AIに物語を五幕構成に分解させるプロンプトです。

プロンプト例

# 命令書
以下のあらすじを「五幕構成(フライタークのピラミッド)」のフレームワークに当てはめて詳細化してください。

# あらすじ
[ここにあらすじを入力]

# 出力形式
- 第一幕(提示):
- 第二幕(上昇):
- 第三幕(クライマックス):
- 第四幕(下降):
- 第五幕(結末):

関連項目