概要
描写(Description)とは、言葉を使って読者の頭の中に鮮明なイメージ(映像、音、匂い、感情など)を再現させる技術です。単なる情報の伝達(説明)とは異なり、読者を物語の世界に没入させ、体験させる役割を持ちます。
いつ使うか
- 小説やエッセイを書く時
- 読者の感情を動かしたい時
- キャラクターや舞台にリアリティを持たせたい時
説明
描写の3大要素
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情景描写
- 風景、場所、時間帯、天候など。
- 五感(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)をフル活用する。
- 心理とリンクさせる(悲しい時は雨が降る、など)。
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人物描写
- 外見だけでなく、服装、癖、話し方、匂いなどでその人らしさを表現する。
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心理描写
- 「悲しかった」と書かずに、悲しみの身体反応や、悲しいせいで見える歪んだ景色を書く(ショー・ドント・テル)。
良い描写のコツ
- 五感を刺激する: 「赤い花」だけでなく「甘い匂い」「ざらついた茎の手触り」まで書く。
- 具体的であること: 「花」ではなく「萎れかけたチューリップ」。
- 比喩を使う: 直喩、隠喩を使ってイメージを広げる。
- 選択と集中: 全てを描写すると長くなりすぎる。物語に必要な部分、印象づけたい部分だけを詳細に書く。
使用例
悪い例 vs 良い例
悪い例(説明)
太郎は汚い部屋に住んでいた。夕方で、彼は疲れていた。
良い例(描写)
太郎がドアを開けると、饐(す)えたコンビニ弁当の匂いが鼻をついた。脱ぎ捨てられた靴下と読みかけの雑誌が床を埋め尽くし、足の踏み場もない。西日が埃(ほこり)の舞う空気を黄色く染めていた。彼は重たい鞄をその場に落とすと、ベッドになだれ込んだ。
AI活用
AIに描写を豊かに書き換えさせるプロンプトです。
プロンプト例
# 命令書
以下の淡白な文章を、五感(視覚、聴覚、嗅覚など)を使った豊かな描写に書き換えてください。読者がその場にいるかのように感じさせてください。
# 文章
[ここに文章を入力:例:森の中を歩いた。鳥が鳴いていた。]