概要
コンフリクト(Conflict / 葛藤・対立)は、物語の駆動力です。「主人公が望むもの」と「それを阻むもの」が衝突することで生まれます。コンフリクトがない物語は、単なる日常報告であり、読者の興味を維持できません。
いつ使うか
- 物語が盛り上がらない時
- キャラクターの感情を描きたい時
- シーンに緊張感を持たせたい時
説明
コンフリクトの3種類
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外的コンフリクト(対人・対環境)
- 主人公 vs 他者(敵、ライバル)。
- 主人公 vs 自然(災害、猛獣)、社会(法律、偏見)、運命。
- 目に見える分かりやすい対立です。
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内的コンフリクト(対自分)
- 主人公の心の中での葛藤。
- 「義務 vs 欲望」「恐怖 vs 勇気」「過去 vs 未来」。
- キャラクターに深みを与え、共感を呼びます。
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関係性のコンフリクト
- 親しい人同士(恋人、家族、友人)のすれ違いや価値観の違い。
良いコンフリクトの条件
- 切実であること:失敗したときのリスク(ステークス)が高いこと。
- 均衡していること:どちらが勝つか分からない、拮抗した状態であること。
- 成長につながること:コンフリクトを乗り越えることで、主人公が変化すること。
実施手順
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主人公の目的(Want)を明確にする
- 「〜したい」
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障害(Obstacle)を置く
- 「でも〜できない」
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対立をエスカレートさせる
- 簡単には解決させず、状況を悪化させます。
使用例
シーンごとのコンフリクト例
NG例(コンフリクトなし) A「お茶飲む?」 B「うん、飲む」 A「はい、どうぞ」 B「ありがとう」 (平和だが、物語としては退屈)
OK例(コンフリクトあり) A「お茶飲む?」 B「いらない。今は一人にしてくれ」 A「でも、顔色が悪いよ。何かあったの?」 B「放っておいてくれと言ってるだろ!」 (拒絶と干渉の対立があり、理由が気になる)
内的コンフリクトの例
- 爆弾処理班の主人公。「赤い線を切れば解除できる」と分かっているが、「過去に同じ状況で相棒を失ったトラウマ」が手を震わせる。
AI活用
AIにシーンにコンフリクトを追加させるプロンプトです。
プロンプト例
# 命令書
以下のシーンは平坦で退屈です。登場人物の間に「対立」や「秘密」を導入して、緊張感のあるシーンに書き換えてください。
# 元のシーン
[ここにシーンの内容を入力]
# 制約
- 登場人物の性格は変えないこと
- 読者が「次はどうなるんだろう?」と思うような展開にすること