概要
Why分析(なぜなぜ分析)は、発生した問題に対して「なぜ(Why)?」という問いを繰り返し投げかけることで、表面的な原因ではなく、真の原因(真因)を突き止める手法です。トヨタ生産方式で生まれた技法として有名で、通常「5回」繰り返すことが推奨されています(5 Whys)。
いつ使うか
- トラブルの再発防止策を考えたい時
- 表面的な対策では効果が出ない時
- 問題の根本原因を特定したい時
説明
手順
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問題の定義
- 具体的な問題を一つ設定します(例:「機械が止まった」)。
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1回目のなぜ
- なぜ機械が止まった? → 「ヒューズが切れたから」
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2回目のなぜ
- なぜヒューズが切れた? → 「過電流が流れたから」
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3回目のなぜ
- なぜ過電流が流れた? → 「軸受の潤滑が不足して負荷がかかったから」
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4回目のなぜ
- なぜ潤滑が不足した? → 「潤滑ポンプが油を吸い上げなかったから」
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5回目のなぜ
- なぜ吸い上げなかった? → 「ポンプのストレーナー(フィルター)が摩耗して詰まっていたから」
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対策の立案
- 真因(フィルターの摩耗)に対する恒久対策(フィルターを定期交換する仕組みを作る)を行う。
- ※1回目で止めていたら「ヒューズ交換」という対症療法になり、また同じ故障が起きていた。
失敗しないコツ
- 人ではなく仕組みを責める: 「Aさんがミスをした」で止めず、「なぜミスが起きる仕組みなのか?」を問う。
- 推測ではなく事実で: 「たぶんこうだ」ではなく、現地現物で確認した事実に基づいて進める。
使用例
例:Webサイトのサーバーダウン
- Why: サーバーが落ちた。 → Because: アクセスが急増してメモリ不足になった。
- Why: メモリ不足になった? → Because: 特定のページへのアクセスが集中した。
- Why: 集中した? → Because: SNSで拡散されたから。
- Why: 拡散に耐えられなかった? → Because: キャッシュ設定がされておらず、毎回DB接続していたから。
- Why: 設定されていなかった? → Because: リリース時の負荷テスト項目に「バズった時の想定」が含まれていなかったから。
- 対策: 負荷テストの基準を見直し、オートスケーリングを設定する。
AI活用
AIに「なぜ」を繰り返させて壁打ちするプロンプトです。
プロンプト例
# 命令書
以下の問題の根本原因を探るために、「なぜなぜ分析」を行ってください。5段階まで深掘りし、最後に根本的な解決策を提案してください。
# 問題
[ここに問題を入力]