概要
ユーザージャーニーマップ(User Journey Map)は、ユーザーがサービスや製品と関わる一連の体験(旅=ジャーニー)を時系列で可視化した図です。ユーザーの行動だけでなく、思考、感情の動きもマッピングすることで、ボトルネックや改善の機会を発見します。「カスタマージャーニーマップ」とも呼ばれます。
いつ使うか
- ユーザー体験(UX)全体を見直したい時
- チーム内でユーザーの行動に対する認識を合わせたい時
- 離脱率が高いポイントの原因を探りたい時
説明
構成要素
一般的に、横軸に「時間(ステージ)」、縦軸に以下の要素を配置します。
- 行動(Doing): ユーザーが具体的に何をしているか。
- 思考(Thinking): その時、何を考えているか、疑問に思っているか。
- 感情(Feeling): 感情の起伏(嬉しい、イライラ、不安など)。曲線で描くことが多い。
- タッチポイント(Touchpoint): 企業との接点(Webサイト、アプリ、店員、広告など)。
- 課題・機会(Pain points & Opportunities): その段階での問題点と、解決のチャンス。
実施手順
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ペルソナの設定
- 誰の旅を描くのか、具体的なユーザー像(ペルソナ)を決めます。
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ステージの設定
- 「認知 → 興味 → 購入 → 利用 → 共有」など、体験のフェーズを区切ります。
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行動・思考・感情の洗い出し
- 各ステージでのユーザーの動きを想像(または調査データに基づいて)書き出します。
- 特に「感情の谷(ネガティブな感情)」になっている部分に注目します。
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課題と解決策の発見
- 感情が下がっている場所が「課題」であり、そこを改善することが「機会」です。
使用例
例:旅行予約サイトの改善
ペルソナ: 30代会社員、初めての海外一人旅。
ステージ:検索・比較
- 行動: 複数のサイトで価格比較。
- 思考: 「安く行きたいけど、治安が心配」「サイトによって表示価格が違う(燃油代込み?)」
- 感情: 不安、イライラ(感情曲線が下がる)。
- 課題: 総額が分かりにくい。治安情報がない。
- 解決策: 検索結果画面で「燃油・諸税込み総額」を目立つように表示する。「女性一人旅におすすめ」タグを作る。
AI活用
AIに簡易的なジャーニーマップの骨子を作らせるプロンプトです。
プロンプト例
# 命令書
以下のサービスを利用するユーザーの「ユーザージャーニーマップ」の骨子を作成してください。
# サービス
[ここにサービス内容を入力:例:オンライン英会話]
# ターゲット
[ここにターゲットを入力:例:英語初心者の社会人]
# 出力形式
各フェーズ(認知、検討、登録、初回利用、継続)ごとに以下を出力:
- 行動:
- 思考(不安や疑問):
- 感情(ポジティブ/ネガティブ):
- 改善のチャンス: