概要
アイデアを検証するために、完成品を作る前に作成する試作品のことです。
- プロトタイプ(Prototype): アイデアを具体化・可視化するための試作品。模型、画面スケッチなど。
- MVP(Minimum Viable Product): 「実用最小限の製品」。顧客に価値を提供できる最小限の機能を備えた製品で、市場の反応を見るために使われます。
いつ使うか
- アイデアが技術的に可能か確かめたい時
- ユーザーが本当に欲しがっているかテストしたい時
- 開発の手戻りを防ぎたい時
説明
目的による使い分け
- ファンクショナル(機能)プロトタイプ
- 「動くかどうか」を検証する。見た目は二の次。
- デザイン(外観)プロトタイプ
- 「見た目や使い勝手」を検証する。中身は動かなくていい(ハリボテ)。
- コンテクスチュアル(文脈)プロトタイプ
- 「どんな場面で使うか」を検証する。ストーリーボードや動画など。
MVPの考え方
「ドーナツを作りたい」とき、MVPは「穴の空いたパン(本質的価値=甘くて手軽に食べられる)」であって、「小麦粉だけ」や「焼いてない生地」ではありません。未完成でも、ユーザーが体験できる状態でなければなりません。
- オズの魔法使い方式: 裏側はシステムではなく人間が手動で動かすMVP。
- ランディングページMVP: 製品を作る前に「予約ページ」だけ作り、登録者数で需要を測る。
使用例
例:DropBoxのMVP
Dropboxは開発前に、製品がどう動くかを解説した「動画」を作成し、それをMVPとして公開しました。動画を見ただけで数万人の登録者が集まり、開発に着手する前に需要があることを証明しました。
プロトタイピングの手法
- ペーパープロトタイピング: 紙にアプリの画面を描き、手で差し替えて画面遷移を再現する。もっとも手軽で高速。
AI活用
AIにプロトタイプのコードを書かせたり、MVPの要件定義をさせるプロンプトです。
プロンプト例
# 命令書
以下のアプリサービスの「MVP(実用最小限の製品)」として実装すべき機能は何か、優先順位をつけて3つ定義してください。また、初期段階では実装すべきでない(後回しにすべき)機能も挙げてください。
# アプリの構想
[ここに構想を入力]