概要
形態分析法(Morphological Analysis)は、天体物理学者フリッツ・ツビッキーが考案した、組み合わせによる発想技法です。課題を構成する独立した要素(変数)を洗い出し、それぞれの要素のバリエーションをリストアップし、それらを網羅的に組み合わせることで新しい解決策を探ります。
いつ使うか
- 漏れなく全ての可能性を検討したい時
- 新商品のコンセプト開発
- 複雑な技術的課題の解決策を探る時
説明
実施手順
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パラメータ(構成要素)の抽出
- 課題を構成する主要な要素(パラメータ)を3〜5個程度選びます。
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バリエーションの列挙
- 各パラメータについて、考えられるバリエーション(変数値)を書き出します。これらを並べて表(マトリクス)を作ります。
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組み合わせの作成
- 各パラメータから1つずつバリエーションを選び、それらを組み合わせてアイデアを作ります。
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評価と選択
- 無数にある組み合わせの中から、現実的で魅力的なものを選び出します。
よくある失敗と対処法
失敗:組み合わせが多すぎて収拾がつかない
- 対処法:パラメータの数を減らすか、明らかに不可能な組み合わせを最初に除外します。
失敗:パラメータの選び方が不適切
- 対処法:互いに独立しており、かつ重要度の高い要素を選ぶようにします。
使用例
例:新しい洗濯機の開発
パラメータの設定
- 洗い方:回転式、振動式、超音波、蒸気
- 動力源:電気、ガス、人力、太陽光
- 設置場所:床置き、壁掛け、ポータブル、天井
- 素材:金属、プラスチック、透明ガラス、木材
組み合わせのアイデア
- 蒸気 × 電気 × 壁掛け × 透明ガラス
- → インテリアとしても楽しめる、衣類を傷めない壁掛けスチームウォッシャー
- 超音波 × 太陽光 × ポータブル × プラスチック
- → キャンプで使える、太陽光発電の超音波ハンディ洗濯機
AI活用
AIに形態分析法のマトリクスを作成させ、面白い組み合わせを提案させるプロンプトです。
プロンプト例
# 命令書
以下のテーマについて、形態分析法を用いて新しいアイデアを出してください。
# テーマ
[ここにテーマを入力:例:未来の交通手段]
# 手順
1. テーマを構成する重要な要素(パラメータ)を4つ挙げてください。
2. 各要素について、バリエーションを5つずつ挙げてください(表形式で)。
3. それらの要素をランダムに組み合わせた、ユニークなアイデアを3つ提案してください。