創意工夫リファレンス

MECE

作成: 2025/12/30 更新: 2025/12/30

概要

MECE(ミーシー / Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)は、「漏れなく、ダブりなく」という意味の論理思考の基本概念です。物事を整理・分類する際に、全体を網羅しつつ(漏れなし)、重複がない(ダブりなし)状態を目指します。

いつ使うか

  • ロジックツリーを作る時
  • ターゲット顧客を分類する時
  • アンケートの項目を作る時
  • 議論の抜け漏れを防ぎたい時

説明

4つの状態

  1. MECE(理想): 漏れなし、ダブりなし。

    • 例:人間を「20歳未満」と「20歳以上」に分ける。
  2. 漏れあり、ダブりなし: 重要な要素が抜けている。

    • 例:人間を「子供」と「老人」に分ける(「大人(若者・中年)」が抜けている)。
  3. 漏れなし、ダブりあり: 重複していて効率が悪い。

    • 例:人間を「男」と「女」と「会社員」に分ける(会社員は男女どちらとも重複する)。
  4. 漏れあり、ダブりあり(最悪): 混沌とした状態。

MECEな切り口の例

  • 二項対立: 有・無、内・外、質・量、静・動、過去・未来。
  • プロセス: 計画・実行・評価・改善(PDCA)、過去・現在・未来。
  • 数直線: 10代・20代・30代…(年齢)、短期・中期・長期。
  • フレームワーク: 3C分析、4P分析など、既存のフレームワークはMECEになっていることが多い。

注意点

  • 目的によって切り口は変わる: 全ての分類において絶対的なMECEはありません。「何のために分けるか」によって適切な切り口を選びます。
  • 「その他」を作る: どうしても分類できないもののために「その他」を用意すれば、形式上はMECEになります(多用は禁物)。

使用例

例:携帯電話市場のセグメンテーション

NG(MECEでない)

  • 「iPhoneユーザー」「Androidユーザー」「若者」「シニア」
    • (「若者」の中にはiPhoneユーザーもいるのでダブりがある)

OK(MECE)

  • 切り口1(OS):iOS、Android、その他
  • 切り口2(年齢):10代以下、20代、30代…
  • 切り口3(契約):新規、MNP、機種変更

AI活用

AIにリストがMECEかどうかチェックさせるプロンプトです。

プロンプト例

# 命令書
以下のリストは「[分類の目的]」における分類として、MECE(漏れなくダブりなく)になっていますか?
もしなっていない場合は、欠けている要素(漏れ)や重複している要素(ダブり)を指摘し、修正案を提示してください。

# リスト
[ここにリストを入力]

関連項目