概要
MECE(ミーシー / Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)は、「漏れなく、ダブりなく」という意味の論理思考の基本概念です。物事を整理・分類する際に、全体を網羅しつつ(漏れなし)、重複がない(ダブりなし)状態を目指します。
いつ使うか
- ロジックツリーを作る時
- ターゲット顧客を分類する時
- アンケートの項目を作る時
- 議論の抜け漏れを防ぎたい時
説明
4つの状態
-
MECE(理想): 漏れなし、ダブりなし。
- 例:人間を「20歳未満」と「20歳以上」に分ける。
-
漏れあり、ダブりなし: 重要な要素が抜けている。
- 例:人間を「子供」と「老人」に分ける(「大人(若者・中年)」が抜けている)。
-
漏れなし、ダブりあり: 重複していて効率が悪い。
- 例:人間を「男」と「女」と「会社員」に分ける(会社員は男女どちらとも重複する)。
-
漏れあり、ダブりあり(最悪): 混沌とした状態。
MECEな切り口の例
- 二項対立: 有・無、内・外、質・量、静・動、過去・未来。
- プロセス: 計画・実行・評価・改善(PDCA)、過去・現在・未来。
- 数直線: 10代・20代・30代…(年齢)、短期・中期・長期。
- フレームワーク: 3C分析、4P分析など、既存のフレームワークはMECEになっていることが多い。
注意点
- 目的によって切り口は変わる: 全ての分類において絶対的なMECEはありません。「何のために分けるか」によって適切な切り口を選びます。
- 「その他」を作る: どうしても分類できないもののために「その他」を用意すれば、形式上はMECEになります(多用は禁物)。
使用例
例:携帯電話市場のセグメンテーション
NG(MECEでない)
- 「iPhoneユーザー」「Androidユーザー」「若者」「シニア」
- (「若者」の中にはiPhoneユーザーもいるのでダブりがある)
OK(MECE)
- 切り口1(OS):iOS、Android、その他
- 切り口2(年齢):10代以下、20代、30代…
- 切り口3(契約):新規、MNP、機種変更
AI活用
AIにリストがMECEかどうかチェックさせるプロンプトです。
プロンプト例
# 命令書
以下のリストは「[分類の目的]」における分類として、MECE(漏れなくダブりなく)になっていますか?
もしなっていない場合は、欠けている要素(漏れ)や重複している要素(ダブり)を指摘し、修正案を提示してください。
# リスト
[ここにリストを入力]