概要
アイデアスケッチ(Idea Sketch)は、頭の中にある抽象的なアイデアを、簡単な図や絵、文字を使って素早く可視化する技法です。美術的な「スケッチ」とは異なり、上手く描くことよりも、アイデアの構造や機能を他者に(あるいは自分自身に)伝えることが目的です。
いつ使うか
- 言葉だけでは説明しにくいアイデアを記録したい時
- ブレインストーミング中にイメージを共有したい時
- アイデアの構成要素や関係性を整理したい時
説明
特徴
- スピード重視
- 丁寧に描く必要はありません。数秒〜数分で描きます。
- 文字との併用
- 絵だけで表現する必要はありません。矢印、吹き出し、注釈(アノテーション)を多用します。
- 質より量
- 1枚の完璧な絵より、様々なバリエーションを何枚も描きます。
描き方のコツ
- 基本図形で描く: 丸、四角、三角、線だけで大抵のものは描けます。
- 棒人間を使う: 人物の動きや感情は棒人間(スティックフィギュア)で表現します。
- ズームと全体: 全体像の横に、重要な部分を拡大した図を描きます。
実施手順(サムネイル・スケッチ)
小さな枠(サムネイル)をたくさん用意し、そこに親指サイズの小さなスケッチを次々と描いていく手法が有効です。
- 紙を折りたたんで8〜16個のマスを作ります。
- 1マスにつき1案ずつ、アイデアを描いていきます。
- 良いものをピックアップして、大きく清書します。
使用例
例:新しい水筒のアイデア
- 全体図: 四角いボトルの絵を描く。
- 注釈: 「本のようにカバンに収まる形状」と矢印で書く。
- 拡大図: 飲み口の部分を拡大して描く。「取り外し可能で洗いやすい」と書く。
- 利用シーン: 棒人間がビジネスバッグからスマートに取り出す絵を描く。
AI活用
画像生成AIは「アイデアスケッチ」の強力なパートナーです。手書きのラフスケッチをAIに清書させることも可能です。
プロンプト例
# 命令書
以下の製品アイデアのラフスケッチ(製品イメージ図)を生成するためのプロンプト(英語)を作成してください。
# アイデア
[ここに製品のアイデアを入力:例:猫の形をしたAIスピーカー]
# スタイル
- シンプルなラインドローイング
- プロダクトデザインスケッチ風
- 構造がわかるように