創意工夫リファレンス

拡散思考と収束思考

作成: 2025/12/30 更新: 2025/12/30

概要

拡散思考(Divergent Thinking)と収束思考(Convergent Thinking)は、アイデア発想プロセスの基本となる2つのエンジンのようなものです。これらを明確に分けて行うことが、創造的な活動の鉄則です。

  • 拡散思考: 可能性を広げ、自由奔放にたくさんのアイデアを出すフェーズ。
  • 収束思考: 出たアイデアを整理、評価、絞り込み、具体化するフェーズ。

いつ使うか

  • ブレインストーミングなどの発想会議全体を通じて。
  • 「今は広げる時間」「今はまとめる時間」と意識を切り替えたい時。

説明

2つのモードの違い

特徴拡散思考(広げる)収束思考(まとめる)
目的量を出す、可能性を探る質を高める、現実解を選ぶ
心構え判断遅延(批判禁止)、自由奔放論理的、分析的、現実的
ツールブレインストーミング、マインドマップ、SCAMPERKJ法、マトリクス法、評価シート
アクセル/ブレーキアクセル全開ブレーキとハンドル操作

統合のルール(ダイヤモンド・モデル)

発想プロセスは、この2つを繰り返すことで進みます(菱形のように開いて閉じる)。

  1. 課題の定義:課題について広く考え(拡散)、真の課題を絞り込む(収束)。
  2. 解決策の発想:解決案を大量に出し(拡散)、ベストな案を選ぶ(収束)。

最大の失敗は、この2つを同時にやろうとすることです。「アクセルを踏みながらブレーキを踏む」ことになり、車(思考)は動きません。アイデア出しの最中に「それは予算的に無理だ」と批判するのはご法度です。

使用例

会議の進行

  1. 前半(拡散): 「今の時間は批判禁止です。とにかく数を出すことを目指しましょう」と宣言し、ブレインストーミングを行う。
  2. 休憩: モードを切り替える。
  3. 後半(収束): 「では、ここからは現実的な視点で絞り込んでいきましょう」と宣言し、ドット投票(シール貼り)などで有望な案を選ぶ。

AI活用

AIにモードを指定して出力させるプロンプトです。

プロンプト例

# 命令書
以下のテーマについて、まずは「拡散思考」モードで質より量を重視してアイデアを20個出してください。非現実的なものでも構いません。

# テーマ
[ここにテーマを入力]

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(出力後)
次は「収束思考」モードで、先ほどの20個の中から実現可能性と効果が高いものを3つ選び、その理由を述べてください。

関連項目