創意工夫リファレンス

デザイン思考

作成: 2025/12/30 更新: 2025/12/30

概要

デザイン思考(Design Thinking)は、デザイナーがデザインを行う際の思考プロセスを、ビジネスや社会問題の解決に応用したイノベーション手法です。ユーザーへの「共感」を出発点とし、人間中心(Human-Centered)で問題を解決することを重視します。

いつ使うか

  • ユーザーにとって本当に価値のあるものを作りたい時
  • 明確な答えのない複雑な問題(厄介な問題)に取り組む時
  • イノベーションを起こしたい時

説明

5つのプロセス(スタンフォード大学 d.school版)

デザイン思考は以下の5段階を行き来しながら進めます。

  1. 共感(Empathize)

  2. 定義(Define)

    • 共感で得た情報から、ユーザーが抱える「真の課題」を定義します。「誰の、どんな課題を解決するのか」を明確にします。
  3. 概念化(Ideate)

  4. 試作(Prototype)

    • アイデアを形にします。時間をかけず、紙や廃材で簡単な試作品(プロトタイプ)を作ります。思考を可視化することが目的です。
    • ツール:プロトタイピング
  5. テスト(Test)

    • プロトタイプをユーザーに使ってもらい、フィードバックを得ます。失敗から学び、前のプロセスに戻って修正します。

マインドセット

  • 人間中心: 技術やビジネス要件より、まず人の悩みを見る。
  • 素早く失敗する(Fail Fast): 早く失敗して、早く学ぶ。
  • 手を動かして考える: 議論より試作。

使用例

例:高齢者向けの配食サービス

  1. 共感: 高齢者の自宅を訪問。弁当の蓋が開けにくくて困っている様子や、配達員との会話を楽しみにしている様子を観察。
  2. 定義: 課題は「食事の提供」だけでなく「孤立感の解消」と「身体機能への配慮」にあると定義。
  3. 概念化: 「蓋が開けやすい容器」「配達員が5分話し相手になるオプション」「交換日記付き弁当」などのアイデアを出す。
  4. 試作: ダンボールで容器の模型を作り、交換日記のラフを書く。
  5. テスト: 実際に高齢者に模型を触ってもらい、日記を見せる。「日記は書くのが面倒」という反応を得て、スタンプ式に修正する。

AI活用

AIにデザイン思考のプロセスをファシリテートさせるプロンプトです。

プロンプト例

# 命令書
以下の課題について、デザイン思考のプロセス(共感→定義→概念化)に沿って検討を進めたいです。まずは「共感」のステップとして、どのようなユーザー調査を行うべきかアドバイスしてください。

# 課題
[ここに課題を入力]

関連項目