創意工夫リファレンス

6-3-5法

作成: 2025/12/29 更新: 2025/12/29

概要

6-3-5法(Method 635 / Brainwriting 6-3-5)は、ドイツのベルント・ロールバッハが考案した強制発想技法です。「6人が、3つのアイデアを、5分ごとに」書いて回していくことから名付けられました。ブレインライティングの一種で、短時間で大量のアイデアを生み出すのに適しています。

いつ使うか

  • 短時間で強制的にアイデアを量産したい時
  • 発言が苦手なメンバーがいる時
  • 他人のアイデアを発展させたい時
  • 会議の沈黙を防ぎたい時

説明

基本ルール / 特徴

  1. 沈黙で行う

    • 話し合いはせず、黙々と紙にアイデアを書き込みます。
  2. 強制的に書く

    • 5分という制限時間内に必ず3つのアイデアを埋める必要があります。
  3. 他人のアイデアを発展させる

    • 回ってきたシートに書かれている他人のアイデアを読み、それをヒントに新しいアイデアを書いたり、発展させたりします。

実施手順

  1. 準備

    • 参加者: 6人(※調整可能)
    • 時間: 約30分(5分×6ラウンド)
    • 必要なもの: 6-3-5法専用シート(またはA4用紙)、ペン
  2. ステップ1:テーマの共有

    • テーマを発表し、全員で認識を合わせます。
  3. ステップ2:第1ラウンド(5分)

    • 各自、シートの1行目に3つのアイデアを書きます。
  4. ステップ3:シートを回す

    • 5分経過したら、シートを左隣の人に渡します。
  5. ステップ4:第2〜6ラウンド(各5分)

    • 回ってきたシートの前の行(他人のアイデア)を読み、それを発展させたアイデアや、触発された新しいアイデアを3つ書きます。
    • これをシートが一周して自分の手元に戻ってくるまで繰り返します。
  6. 結果

    • 6人 × 3アイデア × 6ラウンド = 合計108個のアイデアが30分で生まれます。

よくある失敗と対処法

失敗1:5分で3つ書けない

  • 対処法:質は問わないことを強調します。「既存のアイデアの変形」や「逆転」でもOKとします。どうしても書けない場合は空白でも進めますが、できるだけ埋めるよう促します。

失敗2:字が汚くて読めない

  • 対処法:他人が読むことを前提に、大きめの文字で丁寧に書くよう最初に指示します。

失敗3:アイデアが重複する

  • 対処法:多少の重複は気にしません。むしろ、同じアイデアが何度も出るということは、それが重要である可能性があります。

使用例

例1:販促キャンペーンのアイデア

テーマ:「夏のセールで客足を伸ばすキャンペーン」

実施

  • 6人で実施。
  • Aさんが「団扇(うちわ)を配る」と書く。
  • 次のBさんがそれを見て「団扇にクーポンをつける」と発展させる。
  • さらにCさんが「団扇をくじ引きにする」と発展させる。

結果

  • 30分で100個以上のアイデアが集まり、「体験型」のアイデアと「デジタル活用」のアイデアに分類して検討。

AI活用

AIに6-3-5法の参加者(の代わり)になってもらい、アイデアを発展させていくプロンプトです。

プロンプト例

# 命令書
あなたは6-3-5法の参加者です。以下のテーマと、前の人が出したアイデアを見て、それを発展させた新しいアイデアを3つ出してください。

# テーマ
[ここにテーマを入力]

# 前の人のアイデア
1. [アイデア1]
2. [アイデア2]
3. [アイデア3]

# 制約条件
- 前の人のアイデアに関連・発展させたものを考えてください
- 具体的に記述してください
- 3つ出力してください

関連項目